留学って就職に本当に有利なのか気になる方は多いと思います。留学体験が有利になるのか不利になるのかはその人次第といって過言ではありませんが、有利にさせるコツ、有利になる留学をする方法を6つ挙げます。これから留学する人や就活する人は参考にしてみてください。
1.たくさんの失敗談がある
華やかな成功話や自慢話が求められるわけではありません。
留学に限りませんが、どんどん失敗して、自分なりに向上していく、もしくは挫折して立ち直る内容や教訓はドラマがあって面接官の記憶に残るでしょう。
趣味でも生活習慣でも勉強でも人間関係でも些細なことでもトピックは何でもよいので、日記をつけるなど日ごろからネタをストックしておくと良いでしょう。
留学中、何をしたかにこだわらず、どうやったのかにこだわりましょう。WhatではなくHowと自分に問いかけ、結果どうなって今に至るのかまとめるのです。結果だけを評価しているわけではなく、どれだけ自分と向き合ったのか、結果までの努力や姿勢を面接官は見ています。
2. 留学したことに満足しない
留学をすれば他の就活生と英語力に差ができるという考えは今後通用するのか疑問です。確かに、現在、グローバル社会で生き残るには、企業にとって英語や中国語が話せる人材が求められます。一方で、優秀な外国人採用に積極的な企業が増えている傾向にもあります。「2020年卒マイナビ 企業新卒内定状況調査」によると、2020年卒に「外国人留学生を採用した(する予定)+採用活動はしたが、採用できなかった」と回答した企業は15.2%に対して、2021年卒採用に外国人留学生の採用を予定している企業は、「採用する予定」と「検討中」で36.3%と高く、上場企業は56.1%となり、企業の半数以上が採用数を増やすことを検討していることから、多くの企業が外国人留学生の採用に目を向けていることがわかります。雇用のグローバル化にともない、就活のライバルはもう日本人だけにはとどまらない時代に、就活生は英語はできて当たり前になる日もそう遠くはないのかもしれません。
英語ができる人材は求められていますが、「英語ができる=仕事ができる」わけではないと面接官は分かっています。英語しかできない人は魅力に欠けるのもまた現実です。
勘違いされがちですが、留学したことが重要ではなく、留学を通して何を学んだのか、何を得たのかなど、留学の環境のなかで「挑戦」「変化」「課題」「スキル」「交流」「協調性」などキーワードが含まれる体験やストーリーがあることが必要です。留学はあくまできっかけに過ぎません。 留学したことに満足していると、就活で足元をすくわれるかもしれません。
3.留学生に期待されるスキルを磨く
留学の経験をしたことで何を求められるのか、期待されているのか、面接官の立場に立って考えてみることは大切です。一般的に見られている人物像は、
- コミュニケーション能力
- 語学力
- バイタリティー
- ダイバーシティ(多様性)
- ストレス耐性
もちろん、自分らしさや持ち味を貫くもしくはプラスαにすることも必要です。
この中で最も必要とされる能力は「コミュニケーション能力」。高いコミュニケーション能力を最初から持つ人を採用します。ビジネスをするうえで、英語でも日本語でも社内だけでなく、顧客やクライアントとやり取りするには必要な能力です。留学経験者への印象、言い換えれば、留学経験者として見られているところは、新しい環境かつ異文化の中で様々な国籍の人とコミュニケーションをとることに躊躇がなく積極的で、また留学を通して身につく国際感覚やダイバーシティなどにも長けています。既存の価値観にとらわれない柔軟性や語学力も、もちろんコミュニケーション能力の一部含まれます。日本人らしくない人柄や対応が高く評価されるのです。
海外では日本で通用していたことが通用せず、現実を突きつけられて壁にぶつかることもあるでしょう。そういう壁や困難は留学でも世界を相手にする企業でも同じです。現状への打開策や柔軟性、Win-Winを導く交渉力や対応力、諦めずにその課題への姿勢や行動力、その成長してきた過程と実績を企業は高く評価します。
4.留学経験者に聞きたくなる質問の回答を用意する
想像してみてください。あなたの友人が留学をすると決めたら、もしくは留学から帰ってきたら、あなたはその友人とカフェでどんな話をしますか?
あなたが留学を決断したとき、留学中、あるいは帰国したとき、家族や友人からどんな質問がきましたか?
2つのシチュエーションで考えられる質問を書き出してみて、その回答を考えればよいのです。
ざっと例を挙げてみますと、
- どうして留学しようと思ったのか?
- どうしてその国・その地域なのか?
- どうやって英語を勉強したのか?
- 留学を通して一番大変だったことは何か?
- 失敗談や苦労話は?しんどくなかったのか?
- 留学してみて変化はあったか?
- 留学してみて何が良かったか?
- 留学中の面白い話
- 学校で何をしていたのか?
- 外国人と日本人学生の違いとは何か?
- 英語以外に覚えた言葉や文化は何か?
- 今後行ってみたい国はどこか?
- カルチャーショックや日本との違いは何か?
就活の時に考えるのではなく、留学前、留学中、留学直後、リアルタイムで自分の成長を書き記し、日頃から質問に対する回答を用意して、就活に臨むことをお勧めします。
留学を就活に活かしたいのならば、語学以外のネタでも自信を持って受け答えするよう今まで経験した些細な出来事でも思い出し、アピールできるように準備をしてください。あなたらしさやあなたならではの体験が面接官の心に響くのです。留学を活かすも殺すもあなた次第です。
5.留学するタイミングを考える
無計画に留学すると、留学時期によっては就活の時期とズレてしまい、企業が動き出しているときには海外にいて、帰国するころには大手企業や希望の企業が内定を出し終えるケースは少なくありません。来年もう一度就活するという事態もあり得るでしょう。周りと一緒に4年で卒業を目指すのならば、就活に間に合う留学を計画しないといけません。
半年~1年程度長期留学をしたい場合は、余裕をもって大学2年生のうちにしておくことをおすすめします。2年生のうちに半年~1年留学すれば、3年生の前期中にまた別の短期留学も可能でしょう。
3年生になってから留学を決意した場合、早めに出発するに越したことはありません。遅くても大学3年秋までには留学して2月頃に帰国すれば、4か月程度の留学期間にはなりますが、3月から始まる就活に間に合います。ただし、2月に帰国するということは留学中に就活の準備を勧めるということになるので、留学中は留学に専念できるようにできれば年末までに帰国して準備するほうが良いでしょう。経団連に加盟していない企業は3月より前に選考しているので、志望する企業に関する情報は前もって集めておきましょう。
志望企業はなく、できるだけ長く留学したい方は、最終リミットとして面接が多い4年生の6月までと考えた方が良いです。ただし、すでに内定を出している大企業を諦めることになります。
就職のための留学と考える場合は、前もって計画することが大切です。
6.インターネット上でできる留学生向けの就活を知る
最近では、ほとんどの企業がWebやメールからエントリーできるようになりました。ビデオ面接を採用している企業や、留学生向けのスケジュールを組む企業も増えています。インターネットさえあれば、世界中どこからでも就活できるシステムは便利ですね。欧米では、最終面接以外はすべてPC一台で済んでしまう就活がほとんどです。
日本にいないからと諦めず、留学中でも応募できる企業には積極的にエントリーし、選考も進められるところまで進めておきましょう。
まとめ
決して就職がゴールではありませんが、就職を成功させるために留学をして留学を活かせる就活をしたいのは誰もが思うこと。就職を見据えた留学とは、目的意識が強く、計画性を実現した留学を経験できるかどうかです。常日頃から、小さな成長や変化にも敏感になり、それを言葉にすることを心掛けてみてほしい。
就職に有利な留学を実現させるために、 質の高い就活も大事ですが、質の高い留学をする意識を向けることを忘れないように、充実した留学生活を送ってください。