コロナウィルス感染症(以下コロナ)の影響により渡航できない国が多く、依然として国交が途絶えてしまったような状態が続いています。しかし、6月~7月にかけて現在感染者数0のオーストラリアやニュージーランド、夏休みの観光客を囲い込みたいヨーロッパ諸国など段階的に渡航規制を緩和しだしています。
まだワクチンができていない現状で、完全に規制解除される時期がいつなのか誰も予測できないでしょう。いつになったらコロナがなかった時のようにビザやパスポートをもって自由に海外に出ることができるのか不透明なのは事実です。
先の見えないコロナの世界情勢により、安全面や経済面において留学プログラムを中止あるいは撤退を余儀なくされた大学や語学学校が増えている中、「オンライン留学」(または「バーチャル留学」)という新しい可能性・打開策が注目を浴びています。
コロナが終息しない間、現地に行かなくても現地の講師による少人数の講義や個人レッスンが生で受けられる画期的なプログラムです。留学の醍醐味である異文化体験やたくさんの人との出会いはできませんが、留学したい人にとってコロナで外出ができない今せめてもの打開策です。
いつかコロナが終息して安全が確認できる世の中になれば、ぜひ留学をしてもらいたいです。
オンライン留学とは
海外の大学や語学学校では独自のオンラインプログラムを始めており、日本から受講が可能です。
その大学や語学学校にに勤務しているネイティブの講師が本来の授業通り担当していますので、日本にいながら留学するのと変わらないクオリティーの授業を受けられます。むしろ少人数や個人授業に徹しているので、普段の授業より人数が少ない分、手厚い指導が期待できます。
また、グループレッスンでは他国の学生ともクラスメイトとしてオンライン上で交流ができます。これはよくある日本人向けのオンライン英会話にはない大きな特徴で、疑似留学体験になるでしょう。日本の英会話教室は学生はみんな日本人で、つい日本語が出たり、ホーム感が強くて国際的な感覚や意識も持てません。日本にいて留学と同等の授業を体験できるのは今まで無かったことです。
オンライン留学に向いている人
1.留学したいと思っているがコロナの影響で渡航を延期・中止している
2.留学するか迷っていて、現地の授業をまずは体験することに興味がある
3.仕事や学校で留学に行くチャンスは無いが、語学力向上を真剣に考えている
オンライン留学のデメリット
・海外留学の醍醐味である現地の生活を体験できない
・国際交流がクラス内だけになる
・やり取りはビデオ通話やチャットなどになり、直接会話ができない
・ネットワークなどのトラブルが起こると回線が切れる
・回線が速いインターネット環境が整っている必要がある
・アプリのインストールで容量に余裕があり、カメラとマイク付きのPCが必要
・オンライン以外の時間は日本のいつもの生活に戻る
・課外活動がない
・家で集中できない人には向かない
・夜に受講するプログラムなど時差に左右されることがある
・目が疲れる
オンライン留学のメリット
・コロナによる一時帰国・中止・延期の心配がない
自粛緩和傾向にありますが、いつどこで第2波、第3波が来てもおかしくはない現状、コロナに左右されないプログラムが現在重視されます。コロナの規制と被ってしまった留学プログラムの返金は不可なケースがほとんどです。
・留学より値段が安い
留学に比べたら授業料はもちろん、設備費はかからず、滞在費や渡航費が浮くので金銭的な心配がありません。
・自分のライフスタイルに合わせられる
留学では現地の滞在方法や生活の仕方に縛られるのは事実です。また、留学するために仕事を辞めざるをえなかったり、大学を休学したり、今いる環境から離れないといけません。オンライン留学なら“日本にいながら、自分の生活スタイルを維持したままで”受講できます。今の仕事との両立も可能でしょう。
・オンラインだけど“学校”
オンライン英会話などオンラインレッスンが昨今人気です。「マンツーマンレッスンが受けられて、自分のペースに合わせて進められる」というのは勉強する環境には良いかもしれません。しかし、プライベートでは他の生徒との交流がありません。また、日本にある英会話教室は生徒がみんな日本人です。グループレッスンを受けたら日本人と話すことになり、国際的な環境とは言えません。オンライン留学なら留学と同じように世界各国から集まった意欲溢れる学生たちと同じクラスで学ぶことができます。現代のグローバル化においてネイティブスピーカーではない人とコミュニケーションをとる機会がほとんどで、世界中の人たちと意思疎通を行えることが本当の意味でのグローバル人材でありそういう語学力が試されるのです。オンライン留学ならそんなリアルな環境で学ぶことができます
・英語で学ぶ
英会話教室や語学学校は語学力アップを図るためのあくまで英語の勉強です。オンライン留学では英語の勉強だけではなく、自分の専門を英語で学ぶことができます。自分と同じ専門を持つ同士が海外にいて、一緒に学べるというのは視野が広がりモチベーションが上がります。また、英語+専門を学べるので学習量としても一石二鳥といえます。日本語で勉強しているとインプットが日本語になり、勉強できる範囲も日本にある情報に限られます。しかし、英語でビジネスなどを学べば、インプットとアウトプットは日本語と英語になって2倍の吸収力になります。英語の情報も手に入ることで日本語以上の学習が期待できす。外国語で何かを学べるようになると情報量は増え語学力も飛躍的にアップします。
コロナ終息後の留学の変化
オンライン留学という新しいスタイルが確立したことで、コロナの脅威が消えても、従来の留学の姿には戻らないかもしれません。むしろ2つの良いところを取ってをミックスさせた留学ともいうべき「オンライン留学+リアル留学」のハイブリッド型が増えると期待しています。
オンライン留学は外出自粛や渡航規制がなくても、メリットを見ての通り画期的な学習方法といえます。オンライン留学を通して英語力を着けて、学校との相性などを確かめたうえで準備を進め、その後実際にビザを取得して留学に参加します。帰国後もブラッシュアップのためにオンラインを活用して帰国しても留学の環境をキープします。「オンライン留学→リアルな留学→オンライン留学」で、オンライン留学とリアル留学の両方の旨味を手に入れ、従来の留学以上の価値があるように思えます。
コロナという留学にとって対敵と闘う時代の中で生まれたオンライン留学は、ZoomやMicrosoft Teamsといったオンラインプラットフォームの力を借りてさらに進化し、世界中いつでもどこでも気軽に学習できる強力な教育コンテンツとなりつつあります。本気で海外で勉強したいけど留学ができないと諦めかけていた人にも機会がある点で、大きな需要があるように思えます。
まとめ
コロナの影響で一時帰国やキャンセルを余儀なくされた学生にとってオンライン留学は渡航規制が続く状況の打開策になります。悲観だけをして留学を諦めたり妥協したり見送りにするのではなく、ワクチン開発が今後進んでコロナの心配がなくなった時、留学リベンジできるよう今できること・使えるものを最大限利用して今年留学できなかった以上の成果になるよう対策を講じる行動力と柔軟性が何よりも大切だと思います。
短期集中でオンライン留学を駆使しながら英語力の向上を目指してみてはいかがでしょうか?