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休憩室
国際線などの長時間飛行を行うパイロットやキャビンアテンダントたちは、飛行機のどこで休憩をとっているか知っていますか?
ほとんどの航空会社では、時差が大きいフライトや6〜7時間以上のフライトでは一定の休みを取ることが義務付けられています。
時々、乗務員の椅子で居眠りをしているキャビンアテンダントを見かけることもありますが、飛行機の中には、きちんとした乗務員用の休憩部屋備え付けられていて、
クルーレストコンパートメント(CRC)やクルーバンク
と呼ばれています。
タイプ
乗務員の休憩室は通常、機体の前方や後方の頭部に設置されており、ドアを開け階段を登ると、ちょっとワクワクするような秘密の空間が広がっています。
機体の前方に位置するクルーレストコンパートメントは主にパイロット用、後方はキャビンアテンダント用として使われています。
デザインやベッドの数は機材によって多少違いがあり、
- 2段ベッド仕様のタイプ
- カプセルベットタイプ
- リクライニング可能な椅子タイプ
などがあります。
大きさはそれぞれシングルベットほどのスペースがあります。
カーテンやスライドドアで仕切ることができ、カプセルホテルのような、漫画喫茶のような個室のようなイメージです。
食事のサービスが終わった後、枕やブランケットを持った乗務員たちが、こぞって後方客室に歩いてくるのを目撃したことはありませんか?
彼らはちょうど、クルーレストコンパートメントに休憩をしに行く途中だったのですね。
どこにあるのか、どんな造りになっているのか、動画で見てみてください!!↓↓
乗客あるある
クルーレストコンパートメントの入り口は、見た目がお手洗いの扉と酷似しているため、
- 乗客が間違えて休憩室のドアをガチャガチャとひねり入ろうとする
- 開かずの休憩室のドアの前にトイレ待ちの列ができる
という状況が頻繁に起こります。
そんなときは私たちの出番です。
笑顔で「お手洗いはこちらでございま〜す。」と案内をします。
クルーレストコンパートメントの扉とお手洗いの扉の違いは
赤色の「O C U U P Y E D=使用中」と緑色の「V A C C A N T=空」表示があるかないかで見分けることができます。
この表示がない扉を見かけたら、そのドアは乗務員の休憩室につながっていることでしょう。(鍵がかかっているため、乗客は中に入れないようになっています。)
中を覗いてみたい人のために
基本的に、乗客はクルーレストコンパートメントに立ち入ることができません。
といのも、どのような構造になっているのか知識を持ち合わせない乗客が、休憩室に入ることは、緊急事態があった時に大変なことになりかねないという、航空安全上の理由があるためです。
ですが、キャビンアテンダンントの多くは、乗客を楽しませること、満足させることが大好きな人が本当に多いです。
なので、頃合いを見計らって優しそうな乗務員に相談してみるのもありですよ。
例えば、
「私は航空オタクなのですが、どうしても乗務員の休憩室を見てみたいのですが、、」と尋ねてみてください。
もしかしたら、気流が安定している時や着陸後など、安全に配慮した上で、内緒で見せてくれるキャビンアテンダントに会うことができるかもしれません。
私の体験
私の働いていた航空会社では、クルーレストコンパートメントには「お化けがいる」という謎の噂がありました。
そのため、休憩室で休憩をとる現地の乗務員が非常に少なかったので、優雅に独り占めをしながら、仮眠をとっていたことを思い出します。
構造上と安全上、休憩室は狭く、天井が低く、少し薄暗い場所でもあるため、そのような場所が苦手な人にとっては、怖い場所だったのかもしれません。
私は、霊感などは全くない上に「大の一人好き」と言うこともあって、ここで過ごす時間は、お客さんにも、同僚にも誰にも邪魔されることのない、静かで落ち着いて休める至福の時間でした。
どうしても寝付けない時は、本を読んだり、日記を書いたりと、秘密基地のような空間で過ごす、一人時間を大いに楽しみながら、深夜フライトを乗り切っていたことが懐かしい思い出です。